千葉県北西部,両総台地の分水界をしめる市。1971年市制。人口10万7853(2010)。近世は江戸幕府の馬牧小金五牧のうち中野牧が置かれ,明治初期に東京からの移民が初富(はつとみ)を開拓した。市域の南北を貫く木下(きおろし)街道は生(なま)街道ともいい,銚子からの鮮魚を江戸,行徳に運ぶ輸送路であり,近世には鎌ヶ谷宿が置かれた。1923年北総鉄道(現,東武野田線),49年新京成電鉄,91年北総開発鉄道(現,北総鉄道北総線)が開通し,沿線の各駅前に商店街が形成され,東武鉄道鎌ヶ谷駅付近が中心街をなす。私鉄の便がよいため東京通勤者の住宅が急増している。昭和期になって近郊農業地,ナシの特産地となり,現在は観光ナシ園が各所に見られる。
執筆者:菊地 利夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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