布着(読み)ぬのきせ

精選版 日本国語大辞典 「布着」の意味・読み・例文・類語

ぬの‐きせ【布着】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ぬのぎせ」とも ) 漆器の製作工程において、素地に布を貼り、補強する方法。器物全面に布を貼る場合と、角や縁などの部分に貼る場合とがある。麻布絹布寒冷紗などを用い、厚薄硬軟は目的によって適宜使い分ける。また、その漆器。堅牢なところから、物事の堅いこと、堅実なことのたとえに用いる。
    1. [初出の実例]「西の山砥つらを走る滝の露〈松意〉 戸無瀬の月を布きせにして〈江雲〉」(出典:俳諧・虎渓の橋(1678か)賦何雀俳諧)
    2. 「行末は夫婦にならふと互の契約、布(ヌノ)ぎせの堅(かた)ふ極め」(出典浮世草子傾城禁短気(1711)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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