寒冷紗(読み)カンレイシャ

デジタル大辞泉 「寒冷紗」の意味・読み・例文・類語

かんれい‐しゃ【寒冷×紗】

織り目の粗い薄地綿布。濃いのりで仕上げをして、カーテンかや・造花・芯地などに使う。

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精選版 日本国語大辞典 「寒冷紗」の意味・読み・例文・類語

かんれい‐しゃ【寒冷紗】

  1. 〘 名詞 〙 目の粗い薄い綿織物で、固い糊仕上げをしたもの。カーテン、蚊帳(かや)、芯地、装飾などに用いる。唐布(とうぬの)。〔改正増補和英語林集成(1886)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「寒冷紗」の意味・わかりやすい解説

寒冷紗 (かんれいしゃ)

ビクトリアローンともいい,綿織物の一種経緯ともに綿単糸を用い,経糸に強い糊付けをし,密度のあらい平織に織って,硬く糊仕上げした生紗風の薄地の綿布。白地が多いが地染,型染のものもある。地の薄いものは日覆い,窓掛け,ふすま張地,蚊帳その他に使われ,目の細かい優良品は造花,人形衣装などに用いられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「寒冷紗」の意味・わかりやすい解説

寒冷紗
かんれいしゃ

薄地に織られ、紗によく似た感じに仕上げられた平織の綿織物。もとは薄地の麻織物であったが、その風合いに似せて、手ざわりが粗いこわめの綿織物が製織されるようになり、むしろ木綿のものが一般化するようになった。綿製の寒冷紗は40番手くらいの単糸で、織るときに経(たて)糸に強糊(こわのり)をつけてあり、漂白したのちさらに強糊仕上げをする。また色無地捺染(なっせん)加工したものもある。良質のものはハンカチーフ地に、ほかにカーテン地、造花用、人形の衣装などにも広く用いられている。

[角山幸洋]

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百科事典マイペディア 「寒冷紗」の意味・わかりやすい解説

寒冷紗【かんれいしゃ】

綿織物の一種。ビクトリア・ローンとも。細糸をあらく平織にして強くのり付けしたもの。薄地でごわごわしているので,造花,カーテン,芯地,裏打布などにする。
→関連項目ローン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「寒冷紗」の意味・わかりやすい解説

寒冷紗
かんれいしゃ

綿織物の一種で,普通の綿布よりも目が粗い。濃い糊を施して堅く仕上げてあるので,一見麻織物のようにみえる。織り上げ後漂白し,白のまま使用するものが多いが,染色,捺染したものもある。おもに造花用,人形の衣装そのほかの装飾用や製本の際の背張りなどに用いる。

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盆栽用語集 「寒冷紗」の解説

寒冷紗

木綿やナイロンなどをごく粗めに織った広幅の布。盆栽に限らず園芸趣味の必須アイテムで、夏は直射日光、冬は霜などを遮るために棚場や樹の上を覆う。

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