常神浦(読み)つねかみうら

日本歴史地名大系 「常神浦」の解説

常神浦
つねかみうら

[現在地名]三方町常神

西にし浦の一で常神半島最北端に位置し、西方御神おんかみ島がある。奈良時代の遺跡や式内社常神社があり、開発は古い。平安末期から鎌倉初期に御賀尾みかお(神子浦)に伊香氏が移住して領有を認められたらしいが、やがて当浦は伊香氏の支配から離れたようである(→神子浦。大音家文書の年不詳(戦国期)五月二五日付某書状案に「承久の時ハ常神も御賀尾も我等かせんその物にて両浦と一円に致候所にて候を、今の常神之刀禰のせんそにわけ候て」とある。御賀尾浦との間には中世近世を通じしばしば網場をめぐる相論があった(同文書)。御賀尾浦とともに若狭漁業の先進地で、天文二年(一五三三)の常神社蔵棟札銘に「于時大網之徳分年々用意上フキシ仕候」とみえ、大網の収益から同社の上葺経費を出したことが知れる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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