常蓮寺跡
じようれんじあと
田町集落の西部、厳島神社の傍らにあったが、現存しない。宝蓮寺とも称した。布留社(現天理市石上神宮)の中筋諸山の筆頭で、同社の神宮寺との関係も深かった。応永二七年(一四二〇)の常蓮寺縁起覚(法林寺蔵)によれば草壁皇子が建立し、本尊は毘沙門天。金堂に十一面観音像を祀り、不動堂・九重石塔があった。坊としては北ノ坊・南ノ坊・中ノ坊・阿伽井ノ坊・湯屋坊・西ノ坊の六坊があり、各坊はすべて布留社の社僧で、後冷泉院のときから、毎年五月二八日、同社で舎利講式を勤めたという。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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