(読み)マン

デジタル大辞泉 「幔」の意味・読み・例文・類語

まん【×幔】

縦にだんだらの筋のある幕。幔幕

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精選版 日本国語大辞典 「幔」の意味・読み・例文・類語

まん【幔】

  1. 〘 名詞 〙 ひきまく。たれまく。おおい。幔の幕。
    1. [初出の実例]「造幔四条黄絁十六疋」(出典日本三代実録‐仁和元年(885)九月一四日)
    2. [その他の文献]〔張正見‐薄帷鑒明月詩〕

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普及版 字通 「幔」の読み・字形・画数・意味


14画

(異体字)
16画

[字音] マン・バン
[字訓] おおい・まく・とばり

[説文解字]

[字形] 形声
声符は曼(まん)。〔説文〕七下に「なり」とあり、引幕の意とする。〔段注〕に説解を「幎(べき)なり」の誤りとし、「そ物を以て其の上を冢(おほ)ふを幔と曰ふ。幎と雙聲なり」と論じている。幎は死者の面を覆うもので、曼が面衣から眉目があらわれる象であることからいえば、幔の本義はその幎衣のことであるかもしれない。それよりすべて、覆いめぐらすものの意となり、まく、とばりの類をいう。

[訓義]
1. おおい、おおう、目をおおう、幎。
2. まく、ひきまく、とばり。
3. てんまく。
4. のぼり、はた。

[古辞書の訓]
和名抄〕幔 本式に、斑幔を万太良万久(まだらまく)と讀む 〔名義抄〕幔 トバリ・マダラ・マク。俗に云ふ、マン・カタビラ/斑幔 マダラマク/幔子 ウハオソヒ 〔字鏡集〕幔 マダラマク・トバリ・カタビラ

[語系]
幔muanは(幕)・(膜)makと声近く、おおってへだてる意。(暮)の初文。くらくとじこめる意がある。

[熟語]
幔帷幔屋幔室幔城幔亭・幔幕
[下接語]
帷幔・華幔・隔幔・綺幔・軽幔・巻幔幔・綵幔・撒幔・車幔・朱幔・酒幔幔・垂幔・翠幔・青幔・素幔・帳幔・張幔・通幔・布幔・風幔・平幔・羅幔

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【幔幕】より

…行事の場所などを他と区別するためまわりを囲むのに用いられる布製の用具。幕が布を横につなぎ合わせたのに対し,幔は布を縦につなぎ合わせた垂幕である。つなぎ合わせのとき,白と縹(はなだ),白と紺,白と紅など互いに異なる色を交互に用いたから斑幔(はんまん)とも呼ばれる。…

※「幔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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