朝日日本歴史人物事典 「平野金華」の解説
平野金華
生年:元禄1(1688)
江戸時代中期の漢学者。陸奥国(福島県)三春の人。名は玄中(仲),字は子和,通称は源右衛門。金華はその号。初め江戸に出て,医を千田大円堂に学ぶ。のちに儒を志し,荻生徂徠に師事,古文辞学を修めた。先に三河(愛知県)刈谷藩に仕え,のちに水戸家の支藩である守山藩に仕えた。放蕩で酒癖が悪く,諧謔を好んだが,義気に富み,真率さが愛された。服部南郭と仲がよく,文辞で名を残すが,本来の志はあくまでも経学にあったといえる。その学問の一端をかいまみせる『金華雑譚』に,金華の嗜好を窺うことができる。<著作>『金華稿刪』
(高橋昌彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報