幸島新田(読み)こうじましんでん

日本歴史地名大系 「幸島新田」の解説

幸島新田
こうじましんでん

[現在地名]岡山市西幸西・東幸西・北幸田水門町・南水門町・東幸崎

明暦二年(一六五六)岡山藩主池田光政の打出した積極的な新田開発政策により、翌三年には児島こじま湾北岸一帯の金岡かなおか新田、中川なかがわ前の新田、邑久郡の新田の三ヵ所の新田計画が立てられ、当新田はこのうちの邑久郡の新田にあたる。その後、技術的な問題もあり、計画倒れとなっていたが、土木巧者津田永忠起用で綱政の時代、貞享元年(一六八四)に実現し、永忠の配下であった田坂与七郎(普請奉行)・近藤七助(切堤奉行)らが新田の造成および用排水の工事を手掛けている。開発の進捗については諸説あるが、「撮要録」に「貞享元年正月御普請初り、其年成就」とあり、いずれにしても極めて短期間に開発された模様である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の幸島新田の言及

【児島湾】より

…17世紀後半になると,藩主池田光政は津田永忠を起用して藩営新田の造成に主力を注いだ。最初の藩営新田は1679年(延宝7)に完成した倉田新田(300町)で,ついで84年(貞享1)幸島(こうじま)新田(562町),92年(元禄5)沖新田(1540町)が造成された。藩営新田の開発経費には,津田永忠が企画した社倉米制度による利米銀が投入された。…

※「幸島新田」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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