朝日日本歴史人物事典 「永忠」の解説
永忠
生年:天平15(743)
平安前期の三論宗の僧。「ようちゅう」ともいう。俗姓は秋篠氏。宝亀8(777)年に入唐,長安西明寺に住み,延暦24(805)年に帰国した。近江国(滋賀県)の梵釈寺を委ねられ,翌年,得度者ふたりを与えられ,律師となり,斎会の飲食を豊濃にするよう提言した。弘仁6(815)年に嵯峨天皇が滋賀郡韓埼(大津市唐崎)に行幸した際,護命らと迎え,梵釈寺で茶を煎じて献上した。時に大僧都。空海と親交があり,弟子に実敏がいる。<著作>『五仏頂法訣』<参考文献>堀池春峰『南都仏教史の研究』下(諸寺篇)
(岡野浩二)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報