夜着(読み)よぎ

日本大百科全書(ニッポニカ)「夜着」の解説

夜着
よぎ

寝具の一種。着物の形態とほぼ同じで、袖(そで)は広袖、身丈はふとんの丈と同じ。袖口、裾(すそ)、先(えりさき)に(ふき)を多く出す。褄先(つまさき)は角褄、袖下から身頃(みごろ)の脇(わき)にかけて正方形の燧布(ひうちぬの)がつく。肩には肩当てを表につける。衿には黒、紺などのビロードの掛け衿をかける。表布地は八端、緞子(どんす)、綸子(りんず)、縮緬(ちりめん)、紬(つむぎ)など、裏布地は絹紬(けんちゅう)、富士絹、羽二重(はぶたえ)などを用いる。充填(じゅうてん)材には木綿綿(ふとん綿)を、掛けぶとんと同じくらいの枚数を入れ、ふとんと同様に表からとじる。夜着には、背の中央に並幅の半分の布を入れ後ろ身幅を広くした大夜着(背入り夜着)、中夜着、小夜着の三種類がある。夜着の一種と考えられるものにかい巻がある。いずれも体によくなじんで、肩からのすきま風が入らず暖かい。近年は毛布などがこれにかわって用いられるようになった。

[藤本やす]

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精選版 日本国語大辞典「夜着」の解説

よ‐ぎ【夜着】

〘名〙 夜寝るときに掛ける衾(ふすま)。また、夜具の一つ。大形の着物のような形で、厚く綿を入れたもの。よるのもの。《季・冬》 〔文明本節用集(室町中)〕
俳諧・正風彦根躰(1712)第一「しっとりと雪もつもるやもめん夜着〈許六〉」

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世界大百科事典内の夜着の言及

【搔巻】より

…衿,袖つきで,着物と形は似るが大きく,袖は袖口のあいた広袖で,中に綿を入れる。夜着(よぎ)といわれる同形の掛けぶとんよりは小さく,〈どてら〉よりは大きい。夏の夜具や,寒い時に掛けぶとんの下に重ね,袖に手を通して用いる。…

【寝具】より

…まず最初は綿花をそのまま詰物として用い,やがて綿織物が出てくると側(がわ)も木綿を使った寝具が作られるようになった。呼名も上蓆が蒲団(布団)(ふとん)に,衾が夜着(よぎ)に変わった。しかし室町時代は,まだ木綿の寝具は大変な貴重品であった。…

※「夜着」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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