店請(読み)たなうけ

改訂新版 世界大百科事典 「店請」の意味・わかりやすい解説

店請 (たなうけ)

江戸時代,江戸や大坂住人の約70%と推定される店借が,借家する場合に必要な保証をすること。店請人は親類縁者とか同郷の出身者などが多く,家持だけでなく店借がなる場合もあった。店請は借家をする場合だけでなく,店借が店賃を支払えなくなったり,生活が極度に困窮したとき,その家族を引き取ることもあった。大都市での下層住民生活は家族の労働が基礎となり,そのうえに店請人とか家守大家)などによって保証されていたといってよい。もっとも,こうした身元保証人をもたない店借が多くなると,手数料をとって店請をする仲間ができるようになった。享保期(1716-36)ころ,大坂,京都に家請人仲間ができ,店賃滞納のさいはこの仲間が立替払いをしたり,引取り小屋を造ったりした。内部に生活困窮者が多く,親類などがない下層の住民が数多くなった結果,こうした家請人仲間という特異な存在をつくらざるをえなかったところに,近世都市の一つの特質がうかがわれる。
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