府八幡宮(読み)ふはちまんぐう

日本歴史地名大系 「府八幡宮」の解説

府八幡宮
ふはちまんぐう

[現在地名]磐田市中泉

磐田市の市街地、中泉なかいずみ北東部の中泉丘陵上にある。西に遠江国分寺跡が隣接する。祭神は足仲彦命・気長足姫命・誉田別命。旧県社。社伝によると、天平年間(七二九―七四九)遠江国司桜井王のとき国府に勧請され、よって府八幡宮と称するという。建武元年(一三三四)一二月二九日、遠江国守護今川範国は「八幡宮領中泉郷」への守護使不入を定め(「遠江守護今川範国書下」秋鹿文書)、同四年八月一四日には「八幡新宮」領中泉郷における殺生を禁じた(「遠江守護今川範国書下」同文書)。同年一二月二二日には足利尊氏より羽鳥はとり庄内貴平きへい(現浜松市)地頭職が「遠江国府八幡宮」に寄進された(「足利尊氏寄進状」同文書)。その後同地頭職は社領を離れたが、明応八年(一四九九)一月一九日に当社に返付され(「今川氏親判物」同文書)、文亀元年(一五〇一)一二月二三日には社領の人足役が免除された(「今川氏親判物」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報