庭郷(読み)にわせごう

日本歴史地名大系 「庭郷」の解説


にわせごう

和名抄」賀陽郡庭妹にわせ(庭郷の郷名を継いだものか。足守あしもり川下流域右岸の現庭瀬にわせを遺称地とし、一帯に推定される。「平家物語」巻二によれば、治承元年(一一七七)の鹿ヶ谷の陰謀で捕らえられた大納言藤原成親は「備前・備中両国の堺、にはせの郷有木の別所と云山寺」に配流され、「にはせの郷中山と云所」にて没したという。建久四年(一一九三)正月・寛元三年(一二四五)一〇月・正安三年(一三〇一)二月の吉備津宮神主賀陽氏の譲状(吉備津神社文書、以下同文書は省略)などに郷名が散見する。建久四年の譲状には郷内の久成名の田一七町余・畠四町余をはじめ、粟川里・中川里の七段余など、寛元三年の譲状では「□□御前分」として大勾・中川・葦本・五条・鍋倉・六条等の里の田一町余、「□寿御前分」として中川・六条・鍋倉・大勾・大田・荒木等の田一町余、孫子亀若丸分として大勾・伊豆・中川等の田五段余をはじめ、孫女子犬御前分として畠吉浜五段、同孫女子あこ御前分辻畠五段、後家分一町余などが譲られている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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