(読み)しょう(その他表記)xiāng

普及版 字通 「廂」の読み・字形・画数・意味


12画

[字音] ショウ(シャウ)
[字訓] ほそどの・ひさし

[説文解字]

[字形] 形声
声符は相(しよう)。〔説文新附〕九下に「(らう)なり」とあり、廊下やひさしの部分をいう。正殿東西の脇の室を東廂西廂という。左右の廂に分置する軍を廂軍という。

[訓義]
1. ほそどの、わたどの。
2. ひさし。
3. 正殿東西のわきの室、かべくぎり。
4. 城中を坊、郊外を廂という。

[古辞書の訓]
名義抄〕廂 ヤ・ヒサシ・ムナシ 〔字鏡集〕廂 ムナシ・クルマノトコ(コト)・カキ・ツキ・ヒサシ・ヤ

[語系]
廂・箱siangは同声。箱は大車の箱。廂・序をまた箱とよぶこともあり、ひさしのある、くぎられたものをいう語であろう。

[熟語]
廂軍廂公廂巡廂村廂兵廂房廂廊
[下接語]
御廂・玉廂・城廂・堂廂・本廂・両廂・連廂

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「廂」の意味・わかりやすい解説

廂 (しょう)
xiāng

中国で主として宋代に使われた都市内外の区画の名称。原義母屋(おもや)の両脇の副屋。8世紀唐の玄宗時代,禁軍を左右の廂に分置したことから,軍隊区分,駐屯地域に意味が拡大した。五代初めには都市内の軍事警察管轄区としての廂が確立。北宋の国都開封では内外城が四廂ずつ八廂に分けられ,各廂に廂典以下の胥吏(しより)が配置されて,防犯防災,簡易裁判などの機能を果たした。南宋になると機能が細分化して(ぐう)などを生じ,廂は城外隣接区の呼称に変わる。
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