延金（読み）ノベガネ

デジタル大辞泉

のべ‐がね【延（べ）金】

１ きたえて平らに延ばした金属。
２ 切り金きんの一。金銀を薄く打ち延ばしたもので、切って貨幣の代用とした。
３ 刀剣のこと。

のべ‐きん【延（べ）金】

金をたたいて延ばすこと。また、その金。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

のべ‐がね【延金】

1. 〘 名詞 〙
2. ① きたえて、薄く平らにのばした金属。長くのばした金属。のべきん。
   1. [初出の実例]「きぎすなくのべがねのきせるははい吹をたたいて」(出典：洒落本・古契三娼（1787）)
3. ② 江戸時代、金貨幣の鋳造所であった金座で作られた竿金(さおがね)を規定の長さに切断し、これを鉄床上で鉄鎚にて打ち延ばしたもの。貨幣の代用とした。
   1. [初出の実例]「古金の名目は沙金・練金・延金・板金〈略〉等あり」(出典：金銀図録（1810）七)
4. ③ 刀。刀剣。

のべ‐きん【延金】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 金をたたいてのばすこと。また、その金。のべがね。
   1. [初出の実例]「沙金(しゃきん)煉金延金(ノヘきん)板金」(出典：風俗画報‐四六号（1892）器財門)
3. ② 借金などを延滞したために、その利息を払うこと。また、その利息。延銀。
   1. [初出の実例]「延金利足の元に結んで大金の高にして」(出典：随筆・当世武野俗談（1757）車婆々)

出典　精選版 日本国語大辞典