デジタル大辞泉 「引越す」の意味・読み・例文・類語 ひき‐こ・す【引(き)越す】 [動サ五(四)]1 「ひっこす」に同じ。「東京へ―・す、―・すって毎日のように云って」〈漱石・虞美人草〉2 引いて越える。また、越える。「船をささ波の山に―・して」〈欽明紀〉3 他のものを越えてその先に出る。追い越す。「御おととのつぎの宮に―・されさせ給へるほどなど」〈大鏡・師輔〉4 順序を越えて上位に引き上げる。「―・して大納言に奉らせ給ひつ」〈栄花・見果てぬ夢〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「引越す」の意味・読み・例文・類語 ひき‐こ・す【引越】 [ 1 ] 〘 自動詞 サ行四段活用 〙① 引いて越える。引いてこちらからむこうにわたる。また単に、越す。[初出の実例]「横雲の空ゆ延越(ひきこし)遠みこそ目言離るらめ絶ゆと隔てや」(出典:万葉集(8C後)一一・二六四七)② =ひっこす(引越)[初出の実例]「先々月で、三月か四月跡に引きこして、那方(あちら)でもって狐を拵へて居ります」(出典:落語・今戸の狐(1892)〈三代目三遊亭円遊〉)[ 2 ] 〘 他動詞 サ行四段活用 〙① 引いて越えさせる。[初出の実例]「難波の津より発(みちよ)いて、船を狭狭波(ささなみ)の山に控引(ヒキコシ)て飾の船を装ひて」(出典:日本書紀(720)欽明三一年七月(寛文版訓))② 後ろから前へ肩を越えるようにする。[初出の実例]「纓(えい)をひきこして顔にふたぎていぬるもをかし」(出典:枕草子(10C終)二四八)③ 順序を越えて引き上げる。他人を越して上位にひき上げる。[初出の実例]「仁寿殿をおぼして、そのおやをひきこしてなされたるは」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開中) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例