弥勒教(読み)みろくきょう

山川 世界史小辞典 改訂新版 「弥勒教」の解説

弥勒教(みろくきょう)

中国弥勒信仰にもとづき,救世主の降生による地上浄土の実現を唱えた通俗仏教。圧迫された農民の間で宗教反乱(隋,北宋,元末,明,清)の指導理念となったが,弾圧された。南宋,元,明の白蓮教(びゃくれんきょう)は弥勒教の一派

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旺文社世界史事典 三訂版 「弥勒教」の解説

弥勒教
みろくきょう

弥勒菩薩の降生により,地上に理想世界の実現を唱える中国仏教の1つ
天命を受けた天子出現を説く讖緯 (しんい) 説と結び,楽土を求める下層民衆の願いを利用して,隋・唐以後,しばしば宗教的反乱を起こした。南宋末期には白蓮 (びやくれん) 教と混合し,元末期の紅巾 (こうきん) の乱の大勢力となった。

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世界大百科事典(旧版)内の弥勒教の言及

【白蓮教の乱】より

…南宋以来,異端邪教の代表とされる白蓮教は,本来,阿弥陀浄土信仰の宗教結社であった。一方,隋・唐より〈弥勒仏下生〉を唱え,反旗をひるがえす弥勒教徒の存在がみられるが,下層階級に教民の多い白蓮教の中にいつしかこの弥勒教が混入し,元末には紅巾の乱を起こした。この大乱の中から興起した明太祖朱元璋は,天下統一の過程で白蓮教を邪教として切りすて禁圧したが,その組織は根強く残存し,永楽年間(1403‐24),山東で仏母を称し妖女といわれた唐賽児の乱には万余の人が従っている。…

※「弥勒教」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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