日本大百科全書(ニッポニカ) 「張家界」の意味・わかりやすい解説
張家界
ちょうかかい / チャンチヤジエ
中国、湖南(こなん)省北西部の地級市。旧称は大庸(だいよう)。澧水(れいすい)の沿岸に位置し、北は湖北省に接する。2市轄区、2県を管轄する(2019年時点)。常住人口147万6521(2010)。1985年市制施行。1994年張家界市と改称された。
水稲、トウモロコシ、サツマイモ、大豆を産し、ブタ、ウシなどの畜産業も盛ん。セメント、化学肥料、紡績などの工場が立地する。焦柳線(焦作(しょうさく)―柳州(りゅうしゅう))が通じ、2015年には重慶(じゅうけい)市、湖北(こほく)省、湖南省をまたぐ黔張常線(黔江(けんこう)―張家界―常徳(じょうとく))の建設が始まった。長張高速道路(長沙(ちょうさ)―張家界)、張花高速道路(張家界―花垣(かえん))などの自動車道が通る。1994年張家界荷花国際空港が開港し、国内外の都市への航空路線が開設されている。
市の中部にある武陵源(ぶりょうげん)は3000本超の石柱がそびえ立つ奇観で知られ、1992年ユネスコ(国連教育科学文化機関)により、「武陵源の自然景観と歴史地域」として世界遺産の自然遺産に登録された(世界自然遺産)。トゥチャ族(土家族)が多数居住し、傾斜を利用した吊脚楼(ちょうきゃくろう)とよばれる独特の家屋が点在する。
[周 俊 2019年3月20日]