彦山寺跡(読み)ひこやまでらあと

日本歴史地名大系 「彦山寺跡」の解説

彦山寺跡
ひこやまでらあと

[現在地名]えびの市東川北

東川北ひがしかわきた地区の北東、国道二二一号を加久藤かくとうから熊本県人吉方面へ向かって国見くにみ山を登っていく途中の南側斜面の字彦山の山林の中にある。阿闍利山恣皆院と号し、真言宗本尊は十一面観音。「三国名勝図会」によると飯野いいの白鳥満足まんぞく寺の末寺。開基・由緒は不詳であるが、天正七年(一五七九)同寺光厳が十一面観音を安置したことが棟札にみえるという。満足寺が別当を勤める白鳥しらとり社は死穢を忌むことから当寺を葬所とし、かつ隠居寺とした。文禄二年(一五九三)朝鮮陣中で没した島津久保(義弘世子、一唯恕参)位牌が光厳により当寺に安置されていた(「三州御治世要覧」など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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