往復ポンプ(読み)おうふくぽんぷ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「往復ポンプ」の意味・わかりやすい解説

往復ポンプ
おうふくぽんぷ

密閉された空間の容積移動によって、液体を圧送する容積型ポンプ一種。吸込み弁と吐出し弁を備えたシリンダー内をピストンまたはプランジャーが往復運動して送水する()。プランジャーが右に動くときシリンダー内は真空となり、吸込み弁が自動的に開いて水が吸い込まれる。左に動くとき吸込み弁は閉じ、シリンダー内の水は吐出し弁を押し開いて吐出し管へ送り出される。このような作動方式の単動式ポンプでは送水量の変動が大きいので、送水量を平均化するために複動式や差動式往復ポンプが用いられる。送水量は少ないが高揚程を要求される場合に適し、水圧機用、ボイラー用などに使用される。また油圧用には、回転子中に数組のシリンダーとプランジャーを組み込んだ往復ポンプが用いられている。

池尾 茂]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「往復ポンプ」の意味・わかりやすい解説

往復ポンプ
おうふくポンプ
reciprocating pump

手動あるいは原動機によってピストンまたはプランジャに往復運動を与え,液体を吸上げたり,高所へ押上げたりするポンプ。プランジャは高圧のものに,ピストンは比較的低圧のものに適する。一般に送水容量が小さく,吐出し量が不均一であるため,空気室を設けて管内の流れを一様にしているものが多い。

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