往生拾因(読み)おうじょうじゅういん

精選版 日本国語大辞典 「往生拾因」の意味・読み・例文・類語

おうじょうじゅういんワウジャウジフイン【往生拾因】

  1. 称名念仏による浄土往生を鼓吹したもので、念仏にそなわる往生要因、一〇種を数えて、これを細説したもの。平安中期に成立。三論宗永観著。一巻。

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関連語 順子 西口

改訂新版 世界大百科事典 「往生拾因」の意味・わかりやすい解説

往生拾因 (おうじょうじゅういん)

東大寺三論宗永観(ようかん)撰。1103年(康和5)の成立と伝える。念仏の一行は10種の因あるがゆえに,一心に称名念仏すれば必ず往生を得ることを10項目にわたって述べ,顕密諸宗と比較して,念仏は行住坐臥を妨げず,極楽は道俗貴賤を選ばず,衆生の罪もひとしく救済されると説き,これを〈念仏宗〉と称した。本書は念仏者たちの間に大きな影響を与え,競って書写されたといわれる。
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