律音階(読み)リツオンカイ

デジタル大辞泉 「律音階」の意味・読み・例文・類語

りつ‐おんかい【律音階】

主に雅楽声明しょうみょうなどで用いられる五音音階。洋楽階名のレ・ミ・ソ・ラ・シの五つの音からなる。

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百科事典マイペディア 「律音階」の意味・わかりやすい解説

律音階【りつおんかい】

日本の伝統的な音階の一つ。雅楽や声明民俗芸能などで多く用いられている音階。5音音階で,たとえば,レミソラシレに当たる。二つの〈律のテトラコルド〉(レミソのように中間音が下から長2度にある完全4度のわく)により構成されている。この中間音ミとシは下がりやすい傾向をもつが,それが半音ぐらい下がった形が都節(みやこぶし)音階で,この両者は近親関係にある。従来陽旋法の中に同一視されていた民謡音階とは,根本的に異なる性格をもつ。
→関連項目律(音楽)

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世界大百科事典(旧版)内の律音階の言及

【音階】より

…また民謡以外のジャンルでも,これらが基本となっていることが十分に考えられる。たとえば一見複雑にみえる雅楽や声明の音階も,律音階(雅楽理論でいう律旋の概念ではない)を基本とし,それに民謡や都節のテトラコルドが混入したり,中世以後の仏教音楽では逆に,民謡音階の中に,律や都節のテトラコルドが混入したと解釈できるものが多いし,変化の多い能の音階も,旋律の動きにおいては,民謡のテトラコルドが基礎になり,それに他の要素が加わったと見ることができる。近世邦楽では主として都節音階に民謡や律のテトラコルドが混入している。…

※「律音階」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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