後三年合戦絵詞(読み)ごさんねんかっせんえことば

精選版 日本国語大辞典 「後三年合戦絵詞」の意味・読み・例文・類語

ごさんねんかっせんえことばゴサンネンカッセンヱことば【後三年合戦絵詞】

  1. 絵巻物。三巻。紙本着色。後三年の役を主題にして、貞和三年(一三四七)、飛騨守惟久(ひだのかみこれひさ)が描いたもの。もと六巻本で、現在後半の三巻と玄慧起草の序文一巻がある。詞書筆者は第一巻尊円、第二巻三条公忠、第三巻六条有光、第四巻源仲直、第五巻持明院保脩、第六巻世尊寺行忠という。国重要文化財。→後三年の役

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「後三年合戦絵詞」の意味・わかりやすい解説

後三年合戦絵詞
ごさんねんかっせんえことば

絵巻。3巻。重要文化財。東京国立博物館蔵。源義家(よしいえ)が奥州の清原(きよはら)氏を討伐した後三年の役に取材したもの。もと四巻ないし六巻本であったが、冒頭の部分が失われたとみられる。現存部分は、清原家衡(いえひら)が金沢柵(かねさわのさく)で義家と対陣する段から、義家が家衡を平定して京都に帰る段までを描いている。人物、甲冑(かっちゅう)などに精細な筆が用いられるが、構図が単調で変化に乏しい。鎌倉後期(14世紀)の制作で、奥書により絵は飛騨守惟久(ひだのかみこれひさ)の筆とわかる。なおほかに序文1巻があり、貞和(じょうわ)3年(1347)尊円親王の筆と伝えられる。

[村重 寧]

『小松茂美編『日本絵巻大成15 後三年合戦絵詞』(1977・中央公論社)』


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