精選版 日本国語大辞典 「御勝手方」の意味・読み・例文・類語
おかって‐かた【御勝手方】
- 〘 名詞 〙
- ① 江戸時代、諸大名家で財務、会計を担当した役人。また、その役所。勝手方掛り。勝手方。勘定方。
- [初出の実例]「御勝手方といふ役人、多く有る事也」(出典:秘本玉くしげ(1787)下)
- ② 江戸幕府の勘定奉行のうち、勝手方の事務をつかさどったもの。勝手方勘定奉行。⇔公事方(くじかた)。
- [初出の実例]「公事方壱ケ月に三日、御勝手方御城退出より一日宛内寄合致候」(出典:徳川禁令考‐前集・第三・巻二四・享保八年(1723))
- ③ 江戸幕府、勘定奉行所の一分課。御料から徴収される年貢米、金銀の元払い、御家人などへの切米の支給、旗本などが蔵宿に米を売却する時の値段の決定などをつかさどった。
- [初出の実例]「御勝手方え相掛候吟味役は、御殿より罷出」(出典:徳川禁令考‐前集・第二・巻一五・宝暦三年(1753)二月)
- ④ 台所の係。料理方。
- ⑤ 台所の方向。台所に寄ったほう。
- ⑥ 家政をつかさどる人。