御市(読み)オイチ

デジタル大辞泉 「御市」の意味・読み・例文・類語

お‐いち【御市】

落雁らくがんに似た駄菓子の名。
「―なら饅頭まんぢゅうでありさうなもの」〈滑・浮世風呂・前〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御市」の意味・読み・例文・類語

お‐いち【御市】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 )
  2. 落雁(らくがん)に似た駄菓子の一種
    1. [初出の実例]「夫(それ)はお市(イチ)といふ菓子でござります」(出典滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前)
  3. 市松(いちまつ)人形のこと。
  4. 髪の毛の長い女性や、長い髪の毛をいうときにたとえられる名。近世中期、髪の毛が長いので評判になった「お市」という名の女がいたからという。
    1. [初出の実例]「牛のよだれ十八町を続き、お市が髪の毛、佐渡屋の船を繋ぐの長々しきも」(出典:洒落本・南極駅路雀(1789))
  5. 子守通称おいちゃ
    1. [初出の実例]「わき見をするうち子共其札をしゃぶるかぶろ見つけて、おいちどんそればくちをくわっしゃるよ」(出典:洒落本・柳巷訛言(1783))

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