御薗郷(読み)みそのごう

日本歴史地名大系 「御薗郷」の解説

御薗郷
みそのごう

狩野かの川と大場だいば川の合流点の北方付近、現御園みその付近に比定される三嶋社(三嶋大社)領。建武二年(一三三五)三月一二日の雑訴決断所牒(三嶋大社文書)に、同社領として御薗とみえ、同社神主盛親の訴えにより、当地など社辺敷地に対する宮資盛(盛資か)・同盛行らの濫妨を停止するよう伊豆国衙に命じられているが(同年三月一二日)、翌三年にも盛行・盛資らの狼藉停止と下地の引渡しが伊豆国目代祐禅に命じられるなど(同年九月八日「沙弥等連署奉書」同文書)、濫妨は続いていた。北条氏所領役帳によると、御薗郷に玉縄衆左衛門大夫北条綱成(氏綱の養子)の所領一〇〇貫文があった。なお治承四年(一一八〇)八月一九日の源頼朝下文(三嶋大社文書)に「三薗」川原谷かわはらがや郷とみえ、当地と川原谷郷が三嶋大明神に寄進され、両所の沙汰職に同社神主宮盛方が補任されているが、この文書検討余地がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android