御金蔵(読み)おかねぐら

精選版 日本国語大辞典 「御金蔵」の意味・読み・例文・類語

お‐かねぐら【御金蔵】

〘名〙 (「お」は接頭語)
貨幣をしまっておく蔵。
浮世草子世間胸算用(1692)四「此家年男、神々へ灯火(ともし)あげて後、お銀ぐらへも灯明と申せば」
江戸幕府の金銀貨幣の貯蔵および出納が行なわれた場所。駿府、二条、甲府などにもあったが、有名なのは江戸の奥御金蔵、蓮池御金蔵と大坂御金蔵の三つ。御蔵。きんぞう。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「御金蔵」の解説

御金蔵
おかねぐら

江戸幕府および諸藩がもつ貨幣の貯蔵ならびに出納機関。幕府では江戸・大坂・二条・駿府・甲府などにあり,江戸はとくに重要で,奥(本丸内)と蓮池(寺沢門内)にわかれていた。はじめ軍事,江戸大火,諸国の凶災などのための非常用備蓄機関であったが,1646年(正保3)勘定奉行支配の金奉行が任命され,出納機関としての制も確立した。元方で年貢金・拝借返納金・小普請金・改鋳益金・諸品売却代金などを収納し,払方で物品購入代金その他諸種の支払いを行った。奥御金蔵は非常用の御除金(およけきん)を収蔵し,留守居の支配で,勝手方老中および勘定奉行の封印・開印を必要としたが,蓮池は勘定奉行,大坂は大坂定番(じょうばん)支配の金奉行が出納事務を行った。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御金蔵」の意味・わかりやすい解説

御金蔵
おかねぐら

江戸幕府において金銀貨を貯蔵しておく機関をいう。のちには出納も司った。幕府のほか,幕府の出先機関や諸藩にも同じ名の機関があった。

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