封印(読み)ふういん

精選版 日本国語大辞典「封印」の解説

ふう‐いん【封印】

〘名〙
じ目にをおすこと。また、その印。鈐印(けんいん)封判
※続日本紀‐天平元年(729)四月癸亥「伝習授業、封印書、苻合薬造毒」
※浄瑠璃・源平布引滝(1749)二「密書の封印(フウヰン)、おのれと切れたる謂なし」
② 物が勝手に開かれたり、取り扱われたりするのを禁ずるために、封じ目におした印章。また、その封じ目。封判。
※霊異記(810‐824)中「銭を入れし蔵を見るに封印誤たず」
③ 公務員が法律の規定に基づき、有体動産の現状の変更を禁止するため、その物の上に印章を押した標識を施すこと。また、その印影。
※一年有半(1901)〈中江兆民〉三「若は執達吏の来り封印せし事を報ぜざる莫し」

ふ‐いん【封印】

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デジタル大辞泉「封印」の解説

ふう‐いん【封印】

[名](スル)
封をした証拠として印を押したり証紙をはったりすること。また、その印や証紙。「書類を入れて封印する」
公務員が法律の規定に基づき、有体動産の現状の変更を禁止するため、その物の上に印章を押した標識を施すこと。また、その標識。
中のものが外に出ないように、かたく閉じふさぐこと。封じ込めること。「蔵に封印された財宝」
(比喩的に)人目につかないように隠すこと。それまであった物事や言動を、表に出さないようにすること。「得意技を封印する」「封印された過去」
[類語](1シール封緘封緘紙封入密封同封厳封

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世界大百科事典 第2版「封印」の解説

ふういん【封印 seal】

一般に,物が無断で開かれたり,扱われたりすることを禁じるために,封じ目に印を押すこと,またその印章自体をいい,鈐印(けんいん),封判とも称される。秘匿されるべき内容をもつ書状や,契約書,宣誓書などの重要文書に用いられることが多く,しばしば呪術的・象徴的な意匠図形,あるいは神名や王名を刻んだ印章が,粘土(封泥)や(封蠟),まれに金属に押されて封じられる。広義には結界を設定するための儀礼と関連する慣習と解されよう。

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普及版 字通「封印」の解説

【封印】ふういん

封緘を施すための印。〔晋書、陶侃伝〕疾篤きにんで、將(まさ)に長沙に歸らんとす。軍仗、牛馬舟、皆定り、倉庫に封印す。

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世界大百科事典内の封印の言及

【封】より

…この空間は,文書の封のように物理的に設定されたものもあれば,たとえば地震鯰を封じこめるために鹿島神宮の要石によって作られたそれのように,呪術的に設定されたものもあった。文書の場合,現在の封筒のようにして作られた空間の封じ目に,〆や封などのしるしを印判や手書きで加えることによって封が完成するが,このしるし自体に空間を守る呪力がそなわっており,したがって封印で守られる空間も単なる物理的なそれではないと意識されていたところに,前近代の封の特質がある。文書の封のもっとも簡単なものは,何個もの押印によってすき間なく字面をおおうことにより,文字の改変を防いだ,律令制における公文書の例がある。…

【封泥】より

…中国古代において,文書や貨物を入れた袋,箱などを封印するために,かけた紐や検という木簡に着けた粘土。後世の封蠟に当たる。…

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