徳江村(読み)とくえむら

日本歴史地名大系 「徳江村」の解説

徳江村
とくえむら

[現在地名]国見町徳江

東部・南部は阿武隈川の氾濫原で、北部から西部は洪積台地が広がる。南東部を阿武隈川が東流し、東は二野袋にのふくろ(現梁川町)、西は塚野目つかのめ村、北は森山もりやま村。当地には平安時代初め頃と推定される条里の遺構が近年まで残されていた。天文七年(一五三八)の段銭古帳に伊達西根だてにしねのうちとして「とく江」とみえ、段銭は二貫二七五文。建武二年(一三三五)九月六日の陸奥国宣(岡本元朝家蔵文書)によると、当地に住したとみられる伊達得江三郎蔵人頼景が、元弘の乱の戦功により岩崎郡徳宿肥前権守跡の所領を与えられている。天文二二年の晴宗公采地下賜録では、徳江山城が徳江のうち土屋田在家・徳江五郎兵衛屋敷手作など、守屋監物が「徳への後神明のうしろ田五升まき」「徳への後二貫地、平内二郎や敷そへて田畠四貫文の所」などを与えられている。弘治三年(一五五七)八月吉日の梁川八幡宮祭礼規式写(関根文書)には徳江とみえ、氏神三島みしま明神・禰宜宮本・猿合ノ祭リなどとある。

地内には徳江館跡・なが館跡・反畑そりはた館跡などがある。徳江館跡は真言宗豊山派観音寺の観音堂の東側、阿武隈川の氾濫原を望む所に位置する。東西約一〇〇メートル、南北は東側が約三五〇メートル、西側が約二〇〇メートルの台形状をなし、北・東側は要害地形であるが、西と南側は堀で区切っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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