日本歴史地名大系 「徳蔵地区遺跡」の解説
徳蔵地区遺跡
とくぞうちくいせき
縄文時代中期の集落は船元I−IV式期に帰属し、今まで西日本では集落が明らかにされておらず、空白期とよべる時期のものである。竪穴住居は一四棟検出されているが、一時期に存在する住居は数棟であると考えられる。平面プランは長方形を呈し、一辺が三から四メートル前後で、周壁は約二〇センチ残存していた。住居の周囲からは柱穴や土坑などが数多く見付かっている。このほか西日本最古例となる船元IV式期の埋甕は二基検出されている。東日本で埋甕が普及しはじめる時期に、すでに徳蔵地区遺跡では、その祭祀を瀬戸内文化圏の船元式の土器を使用して取入れている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報