心肺蘇生術(読み)しんぱいそせいじゅつ(その他表記)cardio-pulmonary resuscitation

改訂新版 世界大百科事典 「心肺蘇生術」の意味・わかりやすい解説

心肺蘇生術 (しんぱいそせいじゅつ)
cardio-pulmonary resuscitation

心臓や肺の機能が著しく低下あるいは停止して,呼吸や拍動が停止し,死に瀕したとき,心肺機能を回復させて蘇生させる処置をいう。まず呼吸機能障害や呼吸停止に対しては人工呼吸を行い,心臓機能を回復させるために心臓マッサージを行う。心機能が不整脈によって低下または停止している場合は,叩打やペースメーカーまたは電気的除細動を行う。同時に循環の状態や呼吸状態をチェックするために,心電図や血圧測定装置でモニターを行うとともに,呼吸状態を知るために血液中の酸素・二酸化炭素分圧の測定を行う。また必要な輸液や強心薬の投与を行う。蘇生が成功した後はICUCCUに移し,容体の管理や治療,さらに心肺機能障害の原因の究明などが行われる。
救急医療 →蘇生
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の心肺蘇生術の言及

【救急医療】より


[病院搬入前の手当て,病院への搬送]
 救急医療は病気やけがが発生した現場から始まる。発生現場において,家族,通りかかった人,到着した救急隊員などによって応急手当や心肺蘇生術がどの程度効果的に行われるかが,患者の回復や生命を大きく左右する。けがの場合,事故発生から30分以内に死亡する人は,けがによる全死亡者の約41%を占めるという報告がある。…

※「心肺蘇生術」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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