改訂新版 世界大百科事典 「心肺蘇生術」の意味・わかりやすい解説
心肺蘇生術 (しんぱいそせいじゅつ)
cardio-pulmonary resuscitation
心臓や肺の機能が著しく低下あるいは停止して,呼吸や拍動が停止し,死に瀕したとき,心肺機能を回復させて蘇生させる処置をいう。まず呼吸機能障害や呼吸停止に対しては人工呼吸を行い,心臓機能を回復させるために心臓マッサージを行う。心機能が不整脈によって低下または停止している場合は,叩打やペースメーカーまたは電気的除細動を行う。同時に循環の状態や呼吸状態をチェックするために,心電図や血圧測定装置でモニターを行うとともに,呼吸状態を知るために血液中の酸素・二酸化炭素分圧の測定を行う。また必要な輸液や強心薬の投与を行う。蘇生が成功した後はICUやCCUに移し,容体の管理や治療,さらに心肺機能障害の原因の究明などが行われる。
→救急医療 →蘇生
執筆者:細田 瑳一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報