容体(読み)ようだい

精選版 日本国語大辞典 「容体」の意味・読み・例文・類語

よう‐だい【容体・容態・様ヤウ体】

〘名〙
① 人のすがたかたち。なりふり。容姿。
※宇津保(970‐999頃)楼上下「やうたいほそやかになまめかしう、あな清らの人やと見えたり」 〔礼記‐冠義〕
② からだの状態。特に、健康状態。
※性霊集‐三(835頃)与新羅道者化来詩「伏惟、上人等、過海乍到、容体如何」
病気の様子。病状。病勢。
※浮世草子・風流曲三味線(1706)二「其御息女の御様体(ヤウタイ)をうかがひ〈略〉御薬を進すべし」
物事有様状況。事情。
※宇治拾遺(1221頃)九「仏師は、はらだちて、物のやうたいも知らせ給はざりけりとて、たちぬ」
※御伽草子・猿源氏草紙(室町末)「とかくまかりすぎ、ことさら出仕などのやうだいをも、談合(だんかう)申さんと存じ候へば」
⑤ しかた。方法。形式。
※武雑記(16C中か)「杉原をこしらへ候事〈略〉いづれも台にすはり候。別に様体は無之候」
⑥ (形動) もったいぶること。様子を作ること。また、そのさま。
評判記・吉原人たばね(1680頃)さくらき「其心のいたいけながら、たをやかなる、花のさくら木の君よ、されども、あまりやうたいすぎて、にくらしし見え侍るなり」

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デジタル大辞泉 「容体」の意味・読み・例文・類語

よう‐だい〔ヨウ‐|ヤウ‐〕【容体/容態/様体】

《「ようたい」とも》
人の姿かたち・ようす。
「貧乏書生としか見えない―で一向無頓着にすましている」〈魯庵社会百面相
病気のぐあい。病状。「―が落ち着く」
物事のありさま。状況。
「物の―も知らせ給はざりけりとて立ちぬ」〈宇治拾遺・九〉
もったいぶること。気どること。
「―ばかりやりたがって」〈滑・八笑人・四〉
[類語](2病状症状病態/(3状態現況近況近状現状現勢現段階局面模様様子様相状況実況情勢成り行き動静態様様態具合ぐあい概況形勢気配調子有りさま有りよう性状事態雲行き風向きシチュエーション

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