念法寺(読み)ねんぽうじ

日本歴史地名大系 「念法寺」の解説

念法寺
ねんぽうじ

[現在地名]大山町本宮

立蔵たちくら神社の向いにあり、浄心山と号し、真宗大谷派。本尊阿弥陀如来。もと真言宗であったが、覚如の代に真宗に転じ、寺号は一如から授けられた。明治二年(一八六九)加賀藩の神仏判然令によって芦峅あしくら(現立山町)の仏教色を払拭することを命じられ、仏閣仏像仏具をことごとく破却または売却した。うば堂の梵鐘もその処置をとられようとした折、当寺住職佐伯自受は由緒ある梵鐘を無にすることを惜しみ、購入することを発心し、下山一〇ヵ村に勧進した(念法寺文書)。それによると、「彼は立山辺芦峅寺、之は立山辺本宮にて、往古立山は同様同格に候処、其開闢之砌は道筋も本宮之方に有之、依其の名本宮と申、今に其地名不少、其鎮守は立山立蔵社と号し、依て此地に右梵鐘を留置、毎日毎夜撃之時は毒蛇悪龍之禍因を払い五穀成就し、福縁を招き度」と記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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