忽諸(読み)こっしょ

精選版 日本国語大辞典 「忽諸」の意味・読み・例文・類語

こっ‐しょ【忽諸】

〘名〙
① たちまちに消滅すること。たちまち尽きること。
日本道徳論(1887)〈西村茂樹〉一「国民の道徳大に衰へ、或は奢侈に耽り、或は人心乖離し、遂に羅馬人に併呑せられて忽諸として亡びたり」 〔春秋左伝‐文公五年〕
② 上(かみ)命令などをないがしろにすること。おろそかにすること。なおざりにすること。軽んずること。
※本朝文粋(1060頃)一三・勧学会所欲建立堂舎状〈慶滋保胤〉「請各勤之。勿以忽諸
源平盛衰記(14C前)一三「誠の御使と存じ侍れば、争でか忝くも宣旨を忽緒(コッショ)し奉るべき」 〔千百年眼‐九〕

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デジタル大辞泉 「忽諸」の意味・読み・例文・類語

こっ‐しょ【×忽諸】

《たちまちに滅び尽きる意》軽んじること。ないがしろにすること。
「次に夜の事誠の御使いと存じ侍れば、いかでかかたじけなくも宣旨を―し奉るべき」〈盛衰記・一三〉

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普及版 字通 「忽諸」の読み・字形・画数・意味

【忽諸】こつしよ

滅びる。断絶する。〔左伝、文五年〕臧仲、六(りく)と(れう)との滅びたるを聞きて曰く、皋陶(かうえう)・堅(共に祖神の名)祀られずして忽たり。

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