デジタル大辞泉 「思ひ隈無し」の意味・読み・例文・類語 おもいぐま‐な・し〔おもひぐま‐〕【思ひ×隈無し】 [形ク]1 心が行き届かない。思慮分別が足りない。「―・く悪しうしたり」〈枕・一三六〉2 相手の立場を考えない。思いやりがない。「桜ゆゑ風に心のさわぐかな―・き花と見る見る」〈源・竹河〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「思ひ隈無し」の意味・読み・例文・類語 おもいぐま‐な・しおもひぐま‥【思隈無】 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「隈」は、行き届いたところ、深いところの意 )① 思いに行き届いたところがない。考えが浅い。深い思慮がない。[初出の実例]「『思ひぐまなく悪しうしたり』など、例の女のやうにや言はむとこそ思ひつれ」(出典:枕草子(10C終)一三六)② 相手の気持まで考えないで、自分の思いのままにしている。思いやりのない態度である。自分勝手なしうちである。[初出の実例]「いづ方に立ち隠れつつ見よとてかおもひくまなく人のなりゆく〈藤原後蔭〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)恋三・七四八)思ひ隈無しの派生語おもいぐまな‐さ〘 名詞 〙 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例