精選版 日本国語大辞典 「急度」の意味・読み・例文・類語
きっ‐と【急度・屹度】
- 〘 副詞 〙
- [ 一 ] 動作、行為が、物理的、心理的にゆるみのない状態で行なわれる時の、そのゆるみのないさま。
- ① 瞬間的に集中して行なわれるさま。さっと。
- [初出の実例]「志保見きっとみて矢にちがはむと頸をうちふりたれ共」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)中)
- 「きっと来て啼て去りけり蝉のこゑ〈胡故〉」(出典:俳諧・続猿蓑(1698)夏)
- ② 確固としていてゆるみがないさま。きびしく。厳重に。きっぱり。きちんと。
- ③ 特に心身を緊張させたさま。しっかと。じっと。
- [初出の実例]「『急度とらえて居よ』『心得た』」(出典:虎寛本狂言・柿山伏(室町末‐近世初))
- ④ 意志、決意などの決定的なさま。是が非でも。
- [初出の実例]「右の御さん用はかさねてきっといたさるるでござらふず」(出典:虎明本狂言・千鳥(室町末‐近世初))
- ① 瞬間的に集中して行なわれるさま。さっと。
- [ 二 ] 判断、推定がほぼ確実、また、確実であってほしいと希望する時の、その確実なさま。間違いなく。