柿山伏(読み)かきやまぶし

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

柿山伏
かきやまぶし

狂言の曲名。山伏狂言。修行を終えた山伏(シテ)が帰国の途中、路傍の柿の木に登り、柿を食べ始める。見回りにきた柿の木の主がこれをみつけ、山伏が柿の木の陰に隠れるので、なぶってやろうと、人かと思ったらカラスだ、犬だ、いやサルだといってそれぞれの物まねをさせたあげく、トビだという。山伏はトビの鳴き声を強いられたうえ、「飛ぼうぞよ……」と囃(はや)されて柿の木から飛び降り、腰をしたたかに打つ。かまわずに帰ろうとした柿主は、山伏の法力に引き戻されるふりをし、いったん背負った山伏をすぐに投げ倒して去って行く。動物の物まねと、囃(はや)しにのせられて飛ぶところが見どころ。

[林 和利]

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デジタル大辞泉の解説

かきやまぶし【柿山伏】

狂言。山伏を盗み食いしているのを持ち主に見つかり、さんざんなぶられたあげく、(とび)のまねをして木から飛び降り、腰をしたたかに打つ。

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精選版 日本国語大辞典の解説

かき‐やまぶし【柿山伏】

[1] 〘名〙 山伏をあざけっていうことば。
※仮名草子・東海道名所記(1659‐61頃)二「この山臥殿は、柿(カキ)山臥歟、蟹山臥か、しからずは祇園・愛宕の木屑(こけら)山臥か、いざしらず」
[2] 狂言。各流。山伏が柿を盗み食いしているところを柿主に見つかってなぶられ、ついには鳶(とび)のまねをして木から飛びおり、腰を強く打つ。

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