性行為感染症に伴う肛門病変(読み)せいこういかんせんしょう(STD)にともなうこうもんびょうへん(その他表記)Sexually transmitted disease (STD) associated anal lesion

六訂版 家庭医学大全科 の解説

性行為感染症(STD)に伴う肛門病変
せいこういかんせんしょう(STD)にともなうこうもんびょうへん
Sexually transmitted disease (STD) associated anal lesion
(直腸・肛門の病気)

 昔、性病と呼ばれていた4大疾患(梅毒(ばいどく)淋病(りんびょう)軟性下疳(なんせいげかん)鼠径(そけい)リンパ肉芽腫症(にくげしゅしょう))は現在、抑えられていますが、新たに問題になっているのが、エイズ尖圭(せんけい)コンジローマなどの新興ウイルス性疾患です。

 最近の性行為感染症(表4)の特徴は、性道徳の変化、国際化、風俗産業の潜在化などを背景に、感染者の低年齢化、性行動の多様化で未成年者や主婦などへ一般化し、家庭内への侵入が深く静かに起こっていることです。

 そこで最近、日本での感染症新法では、①エイズ、②梅毒、③性器クラミジア、④性器ヘルペス、⑤淋菌(りんきん)、⑥尖圭コンジローマの6つの感染症がSTDとして指定されました。したがってSTDは、単に泌尿器科、肛門科、婦人科ばかりでなく、消化器内科、眼科、耳鼻科などどの診療科にも関わりがある重要な感染症となったのです。

 具体的にいうと、アナルセックス、フェラチオ、クンニリングスなどによる陰茎(いんけい)や腟、肛門、口唇、咽頭の発疹、びらん、潰瘍(かいよう)の発生などです。

 肛門病変では、尖圭コンジローマ、エイズ、梅毒が重要です。

松田 保秀


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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