尖圭コンジローマ(読み)せんけいこんじろーま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「尖圭コンジローマ」の意味・わかりやすい解説

尖圭コンジローマ
せんけいこんじろーま

人のいぼのウイルスによる病気で、外陰部にいぼのような腫(は)れ物が多発する。尖圭コンジロームとも。大半は性行為によって感染するが、ときには例外もある。男性では陰茎冠状溝、包皮、肛門(こうもん)周囲に発生し、女性では陰唇(いんしん)の粘膜面、会陰(えいん)部、肛門周囲に出現するが、とくに妊娠のときにおりもの(こしけ)が多いと多数発生しやすい。この病気の症状は、カリフラワーまたはニワトリとさかのような表面をもつ大小の隆起が多発して、表面が軟らかくなって悪臭を伴うことが多い。男性に生ずる巨大尖圭コンジローマは包茎の際に出現することが多いが、肛門周囲にも発生することがある。一部を切除して顕微鏡検査をすれば、悪性腫瘍(しゅよう)との鑑別ができる。治療には液体窒素を使用する冷凍療法や電気焼灼(しょうしゃく)療法が行われているが、ときには外科的治療が必要なときもある。また、皮膚癌(がん)に用いる軟膏(なんこう)による治療も試みられている。

[岡本昭二]

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