恒産なきものは恒心なし(読み)コウサンナキモノハコウシンナシ

デジタル大辞泉 「恒産なきものは恒心なし」の意味・読み・例文・類語

恒産こうさんなきものは恒心こうしんなし

《「孟子」梁恵王上から》定まった財産職業がなければ、定まった正しい心を持つことができない。物質面での安定がないと、精神面で不安定になる。
[類語]貧すれば鈍する富貴にして善をなし易く貧賤ひんせんにして功をなし難し

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精選版 日本国語大辞典 「恒産なきものは恒心なし」の意味・読み・例文・類語

こうさん【恒産】=なきものは[=なければ]恒心(こうしん)なし

  1. ( 「孟子‐梁恵王上」また「孟子‐滕文公上」にみえることば ) 定まった財産や決まった職業のない人は、定まった正しい心がない。物質生活は人の心に大きな影響を持つもので、それが安定しないものには確固とした道徳心もない。恒(つね)の産なきは恒の心なし。
    1. [初出の実例]「恒産のないものに恒心のなかったのは二千年ばかり昔のことである」(出典:侏儒の言葉(1923‐27)〈芥川龍之介〉恒産)

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