20世紀日本人名事典 「恩田重信」の解説
恩田 重信
オンダ シゲノブ
明治〜昭和期の薬学者,教育者 明治薬学校総理。
- 生年
- 文久1年6月16日(1861年)
- 没年
- 昭和22(1947)年7月30日
- 出生地
- 信濃国(長野県)
- 学歴〔年〕
- 東京帝国大学医学部製薬学科別課〔明治15年〕卒
- 経歴
- 信濃松代藩士の子として生まれる。代用教員をしながら勉学に励み、のち東京帝国大学に入って薬学を学ぶ。明治15年同卒業後は内務省に勤務し、陸軍薬剤官・二等薬剤官として日清・日露の両戦争にも従軍。この間、医学用語の統一をはかり、「独和他国字書大全」「独和医学大辞典」を刊行し、陸軍軍医であった小説家森鷗外らからその偉業を頌えられた。また、西洋的な医薬分業を目指し、35年には明治薬学校(現在の明治薬科大学)を設立。次いで女子薬学校も開き、多くの薬剤師を世に送り出した。両校は大正12年の関東大震災で倒壊するが、恩師長井長義や教え子の後援で再興。その後も後進の教育と薬剤師の地位向上・保健衛生思想の普及に努め、昭和7年に同校長を退いて同総理に就任。著書は他に「臨床備考日本薬局方大字典」などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）20世紀日本人名事典について 情報