息巻く(読み)イキマク

デジタル大辞泉 「息巻く」の意味・読み・例文・類語

いき‐ま・く【息巻く】

[動カ五(四)]
激しく言いまくる。気炎をあげる。「向かう所敵なしと―・く」
息づかいを荒くして怒る。ひどく憤慨する。「絶対に許さないと―・いている」
勢力を振るう。幅をきかす。
「坊のはじめの女御にて、―・き給ひしかど」〈・若菜上〉
[類語]いきり立つ猛り立つ憤然興奮

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「息巻く」の意味・読み・例文・類語

いき‐ま・く【息巻】

  1. 〘 自動詞 カ行五(四) 〙
  2. 勢力をふるう。権勢をほしいままにする。ときめく。
    1. [初出の実例]「故院の御時に、大きさきの、坊の初めの女御にて、いきまき給ひしかど」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  3. 勢いこんで息を荒くする。強い口調で言い立てる。気焔をあげる。
    1. [初出の実例]「我に手向はしてむや、など息巻(いきまき)日来(ひごろ)有ける程に」(出典今昔物語集(1120頃か)二五)
  4. 息づかいを荒くして怒る。いきりたつ。
    1. [初出の実例]「上人なほいきまきて、何といふぞ、非修非学の男と、あららかにいひて」(出典:徒然草(1331頃)一〇六)

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