ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「慶尚道地理志」の意味・わかりやすい解説 慶尚道地理志けいしょうどうちりしKyǒngsangdo-chiriji 朝鮮に現存する最古の地理書。朝鮮王朝 (李朝) ,世宗7 (1425) 年に撰進。同6年,世宗は大提学卞季良に命じて東国 (朝鮮) の地志,州郡県の古今の沿革を撰進することを命じた。そこで春秋館を中心として広く史料を集め,同 14年に『新撰八道地理志』が撰進されたが,この撰進にあたって各道に命じて一定の規定による諸記録を編纂して春秋館に送付させた。ところが各道の地理志は宣祖 (在位 1567~1608) 時代に壬辰の倭乱 (→文禄・慶長の役 ) で焼失し,かろうじて『慶尚道地理志』の副本だけが残ったので全地理志の体裁についても推測できる。すなわち慶尚道および所轄の州,府,郡,県について古今の沿革,山川,界域,交通,姓氏,人物,貢賦,土産などを項目別に記述したものである。本書の成立は『世宗実録地理志』に先立つこと7年であり,亡失した『新撰八道地理志』と並んで三者は密接な関係をもっている。なお『慶尚道地理志』は『慶尚道続撰地理志』とともに,索引を付して 1924年朝鮮総督府中枢院から刊行された。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by