懐月堂派(読み)カイゲツドウハ

デジタル大辞泉 「懐月堂派」の意味・読み・例文・類語

かいげつどう‐は〔クワイゲツダウ‐〕【懐月堂派】

江戸中期の浮世絵一派懐月堂安度あんどを祖とし、肉筆遊女絵に新機軸を出した。

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精選版 日本国語大辞典 「懐月堂派」の意味・読み・例文・類語

かいげつどう‐はクヮイゲツダウ‥【懐月堂派】

  1. 〘 名詞 〙 江戸中期浮世絵の流派一つ懐月堂安度(あんど)を祖とする。肉筆画が中心で、美人の立ち姿を斜め横から「く」の字型にとらえ、太い描線と濃厚な色彩で描いたものが多い。

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旺文社日本史事典 三訂版 「懐月堂派」の解説

懐月堂派
かいげつどうは

江戸中期の浮世絵の一流派
岡沢(懐月堂)安度 (あんど) (生没年不詳)を始祖とする。力強い墨の描線で形をとり,濃艶な彩色を施すのが特色版画をつくらずもっぱら肉筆美人画を描き,初期浮世絵中で有力な一派をなした。

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世界大百科事典(旧版)内の懐月堂派の言及

【浮世絵】より

…〈菱川様(よう)の吾妻俤(おもかげ)〉(《虚栗》)とうたわれる独自の人物画(美人画)様式を確立,版画のみならず肉筆画の量産にも力を尽くして,平民的な絵画を江戸の地に普及し,発展させた。師宣の没後は菱川派の勢力が急激に衰え,元禄末年から享保初年にかけて(18世紀初期)は鳥居派と懐月堂派が主力となって活躍した。鳥居派の初代清信と2代清倍は,丹絵期の版画を場として役者絵と美人画(このころ〈嬋娟(せんけん)画〉といった)の両分野に勇壮あるいは優麗な人物像を描いた。…

【懐月堂安度】より

…江戸時代中期の浮世絵師。懐月堂派の祖。生没年不詳。…

※「懐月堂派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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