成羽町(読み)なりわちよう

日本歴史地名大系 「成羽町」の解説

成羽町
なりわちよう

面積:八二・〇五平方キロ

郡東部に位置し、北は阿哲あてつ哲多てつた町と一部新見市、東は高梁たかはし市、南は小田おだ美星びせい町、西は備中町および川上かわかみ町に接する。北西から南東方向に細長い町域を形成、成羽川およびその支流の氾濫原、谷底平地と吉備高原面で構成される。町中央部の中村なかむら台にはカルスト地形が展開する。北端の川上・阿哲郡境は分水嶺をなし、坂本さかもと川が南流、備中町域で成羽川と合流、以後成羽川は石灰岩断崖による深い渓谷を形成して町域に入り、南部を西流して高梁市に入る。主要道路として国道三一三号が成羽川に沿って南部を東西に貫通、川上町領家川合りようけかわいから分岐した主要地方道新見―成羽線が成羽川および坂本川に沿って北上、新見市正田しようでんで国道一八〇号に接続する。交通の核をなす成羽からは、主要地方道玉島たましま―成羽線、県道坂本―宇治うじ―成羽線および布寄ふより下原しもばら線が放射状に延びる。

大同二年(八〇七)開坑と伝える吉岡よしおか(吹屋)銅山跡や小泉こいずみ銅山跡がある。中世には成羽庄が成立し、戦国期には備中全域を一時的に掌握した三村氏の拠城の一つ鶴首かくしゆ城が構築された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報