朝日日本歴史人物事典 「戸板保佑」の解説
戸板保佑
生年:宝永5.1.27(1708.2.18)
江戸中期,仙台藩の天文家で和算の大家。通称善太郎。天文は同藩の遠藤盛俊に学び,算学は初め中西流の青木長由に,のち関流の山路主住に学んだ。宝暦改暦の際には,藩命により京都の土御門家に入門。観測をよくし仙台の自邸に観測所を設け,藩主の伊達宗村が実地見学に訪れたこともあった。その観測記録である『仙台実測志』は当時江戸天文方に観測のない時代であったので貴重な資料となっている。暦学の著述のほか,算学の著述も多く,特に『関算四伝書』は関孝和以来の算書を収集編纂したもので511巻500冊にもおよぶ大著である。
(内田正男)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報