房水(読み)ボウスイ

デジタル大辞泉 「房水」の意味・読み・例文・類語

ぼう‐すい〔バウ‐〕【房水】

眼球角膜虹彩こうさいとの間、および虹彩水晶体との間を満たす液。眼圧一定に保ち、角膜や虹彩、水晶体などに栄養を与えるとともに、老廃物を外へ運び出す。眼房水
[補説]房水は毛様体で産生され、瞳孔を経て前房に入り、隅角にある線維柱帯からシュレム管を通って眼球外の静脈系に排出される。

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栄養・生化学辞典 「房水」の解説

房水

 目房水ともいう.目房にある細胞外液.目圧を保ち,角膜水晶体の代謝の場となる.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の房水の言及

【眼圧】より

…眼圧の正常範囲は10~21mmHgとされ,その平均眼圧は15mmHg前後である。眼球の形は,眼球壁の張力と,硝子体と房水(角膜と水晶体の間の眼房を満たす液体)のバランスで維持されている。このうち硝子体の大きさはほぼ一定しているため,房水の量の増減が主として眼圧を決定することになる。…

【ぶどう膜(葡萄膜)】より

…眼球の外側からは見えず,検査のときは特殊なコンタクトレンズを用いる。毛様体の表面には房水aqueous humor(角膜からチン小帯までの空間を満たす液体)の分泌機能があり,さらにチン小帯Zinn’s zonuleという水晶体を懸架する繊維組織が付着する。内部の筋肉は縦走筋と輪状筋があり,主として眼底像のピント合せ,すなわち調節作用を行う。…

【目∥眼】より

…外膜は角膜と強膜,中膜は虹彩,毛様体および脈絡膜,内膜は網膜からなり,中膜全体をぶどう膜ともいう。眼球の内容の大部分は硝子体で満たされ,その前方には水晶体があり,水晶体の周囲と角膜にいたるすきまである前房は房水で満たされる。虹彩の中央には円形の穴すなわち瞳孔がある。…

※「房水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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