眼房水(読み)ガンボウスイ

デジタル大辞泉 「眼房水」の意味・読み・例文・類語

がん‐ぼうすい〔‐バウスイ〕【眼房水】

房水

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「眼房水」の意味・わかりやすい解説

眼房水
がんぼうすい

角膜水晶体の間(前眼房)および虹彩(こうさい)と水晶体の間(後眼房)を満たす水様透明の液体である。毛様体より分泌され、水晶体に栄養を与え、虹彩の位置を保ち、代謝産物を洗い流すなどの役目を担っている。また、眼圧を一定に保つ主役でもある。眼房水はリンパ液に類似し、塩化ナトリウム0.7%、タンパク質0.02%、ブドウ糖0.1%を含み、屈折率は1.336である。

 虹彩炎や毛様体炎がおこると、房水中に炎症産物が出現したり、タンパク質が増加し、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡で観察できる。房水流出路は、隅角壁からシュレム管を流れて上強膜静脈へ入る主流と、虹彩根部から組織液流の形で上脈絡膜腔(くう)へ流れる副流がある。

[岩田和雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「眼房水」の意味・わかりやすい解説

眼房水
がんぼうすい
aqueous humor

目の中の前房後房を満たす液で,血管のない角膜,水晶体および硝子体に栄養を与える働きをしている。毛様体および虹彩の血管から滲出するリンパ液で,その大部分は毛様体静脈へ,一部は硝子体管を通って目の外へ流出する。この眼房水の圧が眼内圧であり,普通,毛細血管圧に等しいが,血圧ほど変動しない。

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