血管に富んだ眼球の膜状組織である中膜(ぶどう膜)の一つで、前方は虹彩(こうさい)に、後方は脈絡膜に連続している。ちょうど水晶体の赤道部に相当する部位にある輪状の組織で、前方の内面には70~90個の毛様体突起とよばれるひだが放射状に並んでいる。ここから毛様体小帯(チン帯)が出て水晶体の赤道部に達し、毛様筋とともに調節作用に携わっている。また、毛様体の上皮からは眼房水が分泌されている。
[松井瑞夫]
毛様体の炎症であるが、毛様体は虹彩と連続した組織であるため、普通は炎症が虹彩にも波及して虹彩毛様体炎の形をとることが多い。さらに、脈絡膜を含めたぶどう膜全体の炎症となれば、ぶどう膜炎となる。したがって、虹彩毛様体炎は前部ぶどう膜炎ともよばれる。前房水の混濁、虹彩の癒着、硝子体(しょうしたい)混濁などがみられ、自覚的には眼痛、まぶしさなどが強い。原因はぶどう膜炎と同じである。
[松井瑞夫]
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…眼球をつくる膜のひとつ。外側の強角膜(角膜と強膜を総称していう)と内側の網膜の間にあり,前部ぶどう膜の虹彩iris,毛様体ciliary bodyと,後部ぶどう膜の脈絡膜choroidとに分けられる。血管に富む組織で眼内の栄養や代謝をつかさどるが,虹彩や毛様体はさらに分布する筋肉(眼筋のうちの内眼筋)の作用によって,瞳孔を広げたり縮めたりする対光反応や調節にも関与する。…
※「毛様体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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