手塩(読み)てしお

精選版 日本国語大辞典 「手塩」の意味・読み・例文・類語

て‐しお ‥しほ【手塩】

[1] 〘名〙
① 古く、好みに応じて適当に用いるように、あるいは不浄を払うために、めいめいの食膳にそえた少量の塩。〔日葡辞書(1603‐04)〕
洒落本呼子鳥(1779)やました八景「やうじのやうな御手しほから、やつこ壱文くだされまし」
歌舞伎勧善懲悪覗機関村井長庵)(1862)六幕「香の物を手塩(テシホ)へ取ってやる」
③ 手ずから世話すること。
※歌舞伎・心謎解色糸(1810)大切「他人の手汐(テシホ)に育てられ、二親恋しと尋ねるを」
[2] 北海道一一か国の一つ。明治二年(一八六九)成立。日本海に面する。現在の上川支庁の北半部、宗谷支庁の一部、留萌(るもい)支庁全域を含む。

て‐しょう【手塩】

〘名〙 (「てしお」の変化した語) 小さく浅い皿。手塩皿。おてしょ。
香華(1962)〈有吉佐和子〉三「朋子は用意していた小皿(テショウ)醤油を注ぎ」

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デジタル大辞泉 「手塩」の意味・読み・例文・類語

て‐しお〔‐しほ〕【手塩】

昔、食膳しょくぜんに添え、適宜に用いた塩。
手塩皿てしおざら」の略。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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